介護技術と技術以前の問題

あつしぇーい

2024年11月05日 00:55

<介護技術>
技術とは、「科学的知識を応用する方法、一定の方法によってある特殊な物事をうまく行う技」と広辞苑に記されています。寝がえり、起き上がり、座位、立ち上がり、移乗等、基本動作における身体介護を行うには、科学的知識の応用が必要です。
「介護する人」にとって、介護技術は日々学習し続けなければならないものです。

<技術以前の問題>
しかし、技術以前の問題があります。
「介護する人」になるためには、人間の裡にある『たった一つのことば』を聴けるようにならねばなりません。犬は「ワン」、猫は「ニャーオ」、赤ちゃんは「オギャー」としか泣きません。犬、猫や赤ちゃんは、泣く/吠えることで要求を表します。
母親は、その泣声「たった一つのことば」を聞き分けます。
赤ちゃんが泣くのは①腹がすいた時/のどが渇いた時、②排尿/排便がしたい時、③姿勢を変えたい(抱かれたい)時、主に3つです。
お腹がすいた時は、おっぱいやミルクをあげるまで泣き止みません。オシッコやウンチの時は一泣きです。泣声や表情さえ見分けられれば、早く(半年頃)からオマルで、オシッコやウンチをとることができます。また、寝返りができない赤ちゃんは、同じ姿勢で長く寝かせているとぐずります。

<1.3.6の法則>
「1割が知識(頭)、3割が感情(心)、6割は非言語(ボディーランゲージ)で行っている」というのが「1.3.6の法則」というコミュニケーション論です。
1割は、いわゆる言葉。3割は、声調/声色(こわいろ)、6割は、まなざし、表情、手振り、姿勢等の身体言語と呼ばれるボディーランゲージです。
認知症や高次機能障害や失語症等で脳に障害のある方、知的障害や精神障害、重度身体障害等、介護の現場では言葉でコミュニケーションが取れない方々がいます。
そのような方々を介護/支援するためには、ボディーランゲージを深く学び、効果的コミュニケーションの方法を身につけることが必要です。

<裡にあるたった一つのことば>
赤ちゃんの中にある「たった一つのことば」は「愛されたい」という注意の要求です。
(1歳過ぎる頃から自立心が芽生え、他人に注意を向けることができるようになります)
乳児期の子育てにおいて求められているのは、その注意の要求を満たしてあげることです。
すなわち「愛する」ということです。赤ちゃんが生きるためには誰かの愛が必要なのです。
介護を生業とする我われに求められているのも、全く同じだと私は思っています。
あなたの中にある「たった一つのことば」は何ですか?

関連記事